工程マスタを追加して、予実製造指図伝票と予実製造指図伝票テンプレートに明示的に工程を指定できるようにしました。
工程マスタには、工程タイプが必須入力となっており、工程タイプに応じて実績伝票を完成にした時に製造指図伝票を作成するか、在庫移動伝票を作成するか制御できるようになっています。
予実製造指図伝票から在庫移動伝票を作成できるようにしたことにより、製造の工程で実際に在庫移動が発生するのに対応できるのはもちろん、製造に必要な部材を引き当てる(とっておく)意味合いで使用することができます。
【ポイント】
- 製造工程の1つとして在庫移動ができる。そして、その在庫移動の1つの活用として製造に必要な部材を確保するための引当処理に使用することができる。
- 工程マスタを集計のキー情報として予定と実績を集計し、色々と分析できる。
工程マスタ
工程マスタは予実製造指図伝票の予定伝票にセットされます。
これまでも予定伝票が実質的に工程の役割をしていましたが、予定伝票に工程を明示的に設定できるようにしたことで、工程マスタを予定伝票の集計キーとして活用できるようになっています。
工程タイプ
工程タイプには、予実製造指図伝票の実績伝票を完成にした時に作成する伝票を指定します。選択できる工程タイプは下記の3つです。
- MMP-製造指図伝票…実績伝票を完成にした時に製造指図伝票を作成する工程タイプです。
- MMM-在庫移動伝票…実績伝票を完成にした時に在庫移動伝票を作成する工程タイプです。
- NON-伝票作成なし…実績伝票を完成にしても何も伝票は作成しない工程タイプです。伝票を作成する必要のない工程に使用することを想定しています。
予定伝票テンプレート
予定伝票テンプレートに工程マスタを入力することができます。工程マスタを入力すると、工程マスタに設定されている工程タイプが予定伝票テンプレートに引き継がれます。
工程タイプにMMM-在庫移動伝票が入力されると、在庫移動伝票を作成するのに使用されるフィールドが表示されます。
予定伝票明細(在庫移動)テンプレート
予定伝票テンプレートタブの工程タイプがMMM-在庫移動伝票の場合、子タブに予定伝票明細(在庫移動)テンプレートタブが表示され、在庫移動伝票の明細を作成するのに必要な情報が入力できます。
予定伝票
予定伝票に工程マスタを入力することができます。工程マスタを入力すると、工程マスタに設定されている工程タイプが予定伝票に引き継がれます。
工程タイプにMMM-在庫移動伝票が入力されると、在庫移動伝票を作成するのに使用されるフィールドが表示されます。
【補足説明】工程タイプが入力されていない場合の挙動
工程タイプが入力されていない場合、その予定伝票及び実績伝票は、"MMP-製造指図伝票"の工程タイプが入力されているものとみなして処理されます。
この対応は、下位互換を確保するためです。この改修が行われる前のデータには工程タイプはありませんので、無くても同様の挙動をするように意図しています。
予定伝票明細(在庫移動)
予定伝票タブの工程タイプがMMM-在庫移動伝票の場合、子タブに予定伝票明細(在庫移動)タブが表示され、在庫移動伝票の明細を作成するのに必要な情報が入力できます。
実績伝票明細(在庫移動)
予定伝票タブの工程タイプがMMM-在庫移動伝票の場合、実績伝票タブの子タブに実績伝票明細(在庫移動)タブが表示され、在庫移動伝票の明細を作成するのに必要な情報が入力できます。
在庫移動伝票タブ
在庫移動伝票明細タブ
追加テーブル
- JP_PP_WorkProcess(工程マスタ)
- JP_PP_WorkProcess_Trl(工程マスタ翻訳テーブル)
- JP_PP_MM_PlanLine(在庫移動用予定伝票明細)
- JP_PP_MM_FactLine(在庫移動用実績伝票明細)
- JP_PP_MM_FactLineMA(在庫移動用実績伝票明細の属性情報)
追加カラム
◆JP_PP_Planテーブル
- JP_PP_WorkProcess_ID
- JP_PP_WorkProcessType
- JP_WarehouseFrom_ID
- JP_WarehouseTo_ID
- JP_PhysicalWarehouseFrom_ID
- JP_PhysicalWarehouseTo_ID
- IsRecordRouteJP
- JP_WarehouseNext_ID
- JP_WarehouseDst_ID
- JP_PhysicalWarehouseNext_ID
- JP_PhysicalWarehouseDst_ID
- JP_MovementDateNext
- JP_MovementDateDst
◆JP_PP_PlanTテーブル
- JP_PP_WorkProcess_ID
- JP_PP_WorkProcessType
- JP_WarehouseFrom_ID
- JP_WarehouseTo_ID
- JP_PhysicalWarehouseFrom_ID
- JP_PhysicalWarehouseTo_ID
- IsRecordRouteJP
- JP_WarehouseNext_ID
- JP_WarehouseDst_ID
- JP_PhysicalWarehouseNext_ID
- JP_PhysicalWarehouseDst_ID
◆JP_PP_Factテーブル
- M_Movement_ID
◆M_Movementテーブル
- JP_PP_Fact_ID
◆M_MovementLineテーブル
- JP_PP_MM_Fact_ID
追加リファレンス
- JP_PP_WorkProcessType(工程タイプ)
- JP_PP_WorkProcess(工程マスタ)
追加検索ウィンドウ
- 工程マスタ検索
追加メッセージ
◆JP_PP_DiffWorkProcessType
This PP Plan have some PP Plan lines, you can not change to different Work process type.(予定伝票明細があるので、異なる工程タイプへの変更はできません。)
追加クラス
- I_JP_PP_WorkProcess
- I_JP_PP_MM_FactLine
- I_JP_PP_MM_FactLineMA
- I_JP_PP_MM_PlanLine
- I_JP_PP_MM_PlanLineT
- X_JP_PP_WorkProcess
- X_JP_PP_MM_FactLine
- X_JP_PP_MM_FactLineMA
- X_JP_PP_MM_PlanLine
- X_JP_PP_MM_PlanLineT
- MPPWorkProcess
- MPPMMFactLine
- MPPMMFactLineMA
- MPPMMPlanLine
- MPPMMPlanLineT
修正クラス
◆PPDocCallout
- workProcessメソッドの追加 ➡予定伝票で工程マスタを選択した時に工程タイプ自動設定します。
- JP_PP_Fact_IDメソッドの追加 ➡「ログインユーザーが担当の未処理の実績製造指図伝票」ウィンドウにおいて、予定伝票の情報をコンテキストにセットします。
◆JP_PP_Planテーブルのモデルクラス
- I_JP_PP_Plan
- X_JP_PP_Plan
- MPPPlan
◆JP_PP_PlanTテーブルのモデルクラス
- I_JP_PP_PlanT
- X_JP_PP_PlanT
- MPPPlanT
◆PPCreateTemplateByCopy
予実製造指図伝票テンプレートをコピーして作成するプロセスです。追加した予定伝票明細(在庫移動)のデータもコピーするように修正しました。
◆PPCreateDocFromTemplate
予実製造指図伝票テンプレートをもとに予実製造指図伝票を作成するプロセスです。追加した予定伝票明細(在庫移動)のデータも対象にできるようにしました。
◆PPFactProcessAfterComplete
在庫移動のための差異分割の処理を実装しました。
◆MPPFact
◆PPPlanModelValidator
予定伝票のツリーに表示する名称の処理を工程タイプ毎に改修
◆PPPlanTemplateModelValidator
予定伝票テンプレートのツリーに表示する名称の処理を工程タイプ毎に改修
Step1
JP_PP_WorkProcessテーブルのウィンドウ(販売管理)フィールドを空欄にして、20231225_JPIERE-0609-01をパックアウトして下さい。そしてバージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-01に含まれる設定
主にJP_PP_WorkProcessテーブルに関連する設定が含まれています。
Step2
PostgreSQL上に「JP_PP_WorkProcess_Trl」テーブルを作成します。
%JPCS%>Migration-Info>10 にある20231225_JPIERE-0609_JP_PP_WorkProcess_Trl.txt にCreate TableのSQLを用意しています。
Step3
20231225_JPIERE-0609-02 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-02に含まれる設定
主にJP_PP_WorkProcess_Trlテーブルに関連する設定が含まれています。
Step4
20231225_JPIERE-0609-03 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-03に含まれる設定
工程マスタに関連する設定が全般的に含まれています。
Step5
手で下記のアプリケーション辞書の設定を変更して下さい。
- JP_PP_PlanテーブルのM_Product_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
- JP_PP_PlanテーブルのM_Locator_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
- JP_PP_FactテーブルのM_Product_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
- JP_PP_FactテーブルのM_Locator_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
- JP_PP_PlanTテーブルのM_Product_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
- JP_PP_PlanTテーブルのM_Locator_IDカラムの必須を解除する(任意入力にする)
具体的には上記カラムの必須チェックボックスをOFFにしてカラム同期を実行して下さい。
Step6
20231225_JPIERE-0609-04 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-04に含まれる設定
予実製造指図伝票テンプレートに関連する設定が含まれています。
Step7
20231225_JPIERE-0609-05 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-05に含まれる設定
予実製造指図伝票に関連する設定が含まれています。
Step8
20231225_JPIERE-0609-06 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-06に含まれる設定
在庫移動伝票に関連する設定が含まれています。
Step9
20231225_JPIERE-0609-07 をパックアウトして、バージョンアップしたい環境にパックインして下さい。
◆20231225_JPIERE-0609-07に含まれる設定
ログインユーザーが担当の未処理の実績製造指図伝票 ウィンドウの設定が含まれています。
Step10
実績伝票の伝票タイプで、在庫移動の伝票タイプ(JP_DocTypeMM_IDカラム)を表示させて設定できるようにします。
具体的にはJP_DocTypeMM_IDカラムに対応するフィールドの表示ロジックを下記のように設定して下さい。
@DocBaseType@='SOO' | @DocBaseType@='JDF'