「論理倉庫」の概念を使用して、輸送中の在庫を把握する場合、目的地の倉庫に在庫移動するのに最低2枚の在庫移動伝票を起票する必要があります。このカスタマイズは、1枚目の在庫移動伝票に、2枚目の目的地の倉庫の情報を入力することで、2枚目の在庫移動伝票を自動作成できます。
在庫移動の経路を記録する場合などにも、次の目的地となる倉庫を入力することで、手間なく在庫移動伝票を作成できます。
在庫移動伝票
在庫移動伝票タブ
◆組織倉庫(次の目的地)
「組織倉庫(To)」フィールドの次に在庫移動する「組織倉庫」を入力します。
◆物理倉庫(次の目的地)
「物理倉庫(To)」フィールドの次に在庫移動する「物理倉庫」を入力します。
◆次の目的地への到着予定日
「組織倉庫(次の目的地)」と「物理倉庫(次の目的地)」への到着予定日を入力します。
◆次の目的地への在庫移動伝票作成ボタン
このプロセスを実行した在庫移動伝票の明細をコピーして、次の目的地への在庫移動伝票を"草案"で作成します。このプロセスが実行できる伝票ステータスは「草案」、「確認中」、「完成」、「クローズ」のいずれかです。
- 伝票タイプ … 作成する在庫移動伝票の伝票タイプを選択します。
- 移動日付 … 作成する在庫移動伝票の移動日付を入力します。
- 組織倉庫(次の目的地) … 作成する在庫移動伝票の「組織倉庫(To)」になります。
- 物理倉庫(次の目的地) … 作成する在庫移動伝票の「物理倉庫(To)」になります。
- 保管場所 … 作成する在庫移動伝票の明細の「保管場所(To)」になります。
【ポイント】
「次の目的地への在庫移動伝票作成」プロセスは1枚目の在庫移動伝票の情報に、2枚目の在庫移動伝票を作成するのに必要な「次の目的地となる倉庫」の情報を入力して、簡単に2枚目の在庫移動伝票を作成する機能です。それを3枚目以降にも繰り返し活用できて、出発地の倉庫から最終目的地の倉庫までそれぞれの伝票を結び付けて記録できます。
- 出発地から最終目的地までいくつ倉庫を経由しても、この「次の目的地への在庫移動伝票作成」プロセスを実行すれば在庫移動伝票を手間なく作成することができます。
- このプロセスのボタンを実行するのも面倒だったり、実行忘れを懸念する場合には、在庫移動伝票を完成する伝票ステータス更新の処理で、iDempiereのワークフローの機能を活用して自動実行するようなこともできます!!
- このプロセスを実行すると、作成した在庫移動伝票の「1つ前の在庫移動伝票」フィールドにプロセスを実行した作成元の伝票が入力され、作成元の在庫移動伝票の「次の目的地への在庫移動伝票」フィールドに作成した在庫移動伝票が入力されます。 作成元の伝票と作成した伝票が結びついて、最終的には在庫移動の出発地から目的地までの在庫移動伝票がすべて辿れるようになっています。
- 「論理倉庫」を活用した在庫移動でも、倉庫の入庫業務を行った記録として「在庫移動確認伝票」も一緒に活用することができます!!
【カスタマイズポイント】経路情報のマスタ化
このカスタマイズでは在庫移動の経路情報まではマスタ化していませんが、経路情報をマスタ化して1枚の在庫移動伝票を完成にした時に、その経路情報マスタを参照して、すべての経路の在庫移動伝票を最初に作成してしまうようなカスタマイズも良いかなと思います。そうすることで、出発地から最終目的地までの配送状況が一目で把握できるようになるはずです(配送されているところまでの在庫移動伝票が完成になるので!!)。それに在庫を受け入れるシステム操作も、伝票を完成にするだけなので操作の手間も無いかなと思います。
カスタマイズ情報
プロセスの追加
◆JP_Create_Next_Movement:次の目的地への在庫移動伝票作成 / Create Next Movement
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.CreateNextMovement