【JPIERE-0572(v9)】総勘定元帳(法令対応:サマリ科目選択)

【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)は、勘定科目を1つ選択して、選択した勘定科目の総勘定元帳を表示するレポートです。

 そのため総勘定元帳をプリントアウトしたいと思った場合、プリントアウトしたい勘定科目の数だけレポートを出力する必要があり、数が多くなると少々大変です。

 そこで、このカスタマイズでは、サマリ勘定科目を選択する事で、選択したサマリ勘定科目配下に登録されている勘定科目の総勘定元帳を表示できるようにしました。

【ポイント】電子帳簿保存法に対応しない時の法令順守のために

 【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)は、電子帳簿保存法を遵守するためのカスタマイズですが、このカスタマイズはJPiereの導入を行うユーザー企業が電子帳簿保存法に対応しない方針とした場合に、紙で帳簿を保存する必要があるため、紙に出力しやすいようにしたカスタマイズです!

 紙にすべての勘定科目の総勘定元帳を印刷しようとした場合に、1つ1つ勘定科目を選択して総勘定元帳を出力するのは手間ですし、出力漏れをしてしまうかもしれません。

 このカスタマイズにより、総勘定元帳の印刷は容易になるはずです。ただし、総勘定元帳はデータ量が非常に多くなる可能性がありますので、出力する際には注意して下さい。

総勘定元帳(法令対応:サマリ科目選択)

 このカスタマイズと、【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)の大きな違いは、サマリ階層の勘定科目を選択するか否かです。このカスタマイズでは、サマリ階層の勘定科目を選択することで、その配下のサマリ階層ではない勘定科目の総勘定元帳を出力します。

レポート抽出条件

レポートの抽出条件は、基本的に【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)と同じです。

総勘定元帳(法令対応:サマリ科目選択)
総勘定元帳(法令対応:サマリ科目選択)

◆勘定科目ツリー

サマリ階層の勘定科目を選択するにあたり、サマリ階層が属する勘定科目ツリーを選択します。

◆勘定科目エレメント

選択した勘定科目ツリーに属するサマリ階層の勘定科目を選択できます。入力しないと、選択した勘定科目ツリーに属する勘定科目が全てレポート対象になります。

 

レポート表示結果(HTML)

 

レポート表示結果(PDF)

PDFにすると、勘定科目が変わると改ページさせることもできます。

カスタマイズ情報

 このカスタマイズと【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)のカスタマイズは、iDempiere標準機能の「総勘定元帳」のレポートをベースとして拡張したものです。

T_TrialBalanceテーブル

「総勘定元帳」のレポートで使用しているT_TrialBalanceテーブルも使用しています。T_TrialBalanceテーブルをビューとして拡張しているのが「T_TraialBalance_HistoryJP」ビューです。

◆主キーの削除

 T_TrialBalanceテーブルに設定されている主キーは、AD_PInstance_IDとFact_Acct_IDで設定されており、残高を表示する行はFact_Acct_IDが0で作成されます。このことにより、複数の勘定科目の総勘定元帳を表示させようとした時に、主キーが重複してしまいます。

 そのため、T_TraialBalanceテーブルの主キーを削除します。T_TraialBalanceテーブルは、レポート表示用のテンポラリーテーブルなので主キーが無くとも特に問題は無いと判断しています。

 

◆インデックスの作成

主キーを削除した代わりに、「AD_PInstance_ID」にインデックスを作成しておきます。

 

レポートビュー

 このカスタマイズでは、レポートビューとして、【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)で作成した「T_TraialBalance_HistoryJP」を使用していますが、iDempiere標準の「T_TraialBalance」テーブルを指定しても問題なく動作するはずです。

 【JPIERE-0568(v9)】総勘定元帳(法令対応)が無い環境にこのカスタマイズを移植したい場合は、「T_TraialBalance」テーブルを選択して下さい。

 このレポートは大量のデータを表示する可能性がありますが、JPiereの初期設定値としてレポートビューの制限数はあえて0に設定しており、特に制限をかけていませんので注意して下さい。必要に応じて制限数を設定して下さい。

 

クラス

  • jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.TrialBalanceBulkCreate

TrialBalanceBulkCreateクラスは、レポートの抽出条件に入力されているサマリ階層の勘定科目から、その配下にあるサマリ階層ではない勘定科目を取得して、iDempiere標準機能の「総勘定元帳」レポートを作成している"org.compiere.report.TrialBalance"クラスにパラメーターとして渡して、繰返し実行しています。

カスタマイズ履歴

2023年8月30日(v10)

仕訳のもとになった伝票の伝票ステータスを表示できるようにT_TrialBalance_HistoryJPビューを修正しました。

発注照合伝票と請求照合伝票は伝票ステータスが無いので、全部"完成(CO)"と表示されます。

2023年7月13日(v10)

IDEMPIERE-5746:Bank Statement and Production cannot use Overwrite Date/Seq on Complete に伴い、出納帳の名称ではなく伝票番号を表示するようにT_TrialBalance_HistoryJPビューを修正しました。