オープンソースのERP iDempiereには、登録したデータを承認するワークフロー(WF)を構築できるようになっています。その承認をする画面も用意されているのですが、少し使いにく所があるので、同等の機能を検索ウィンドウを使って作成しました。
未処理WFアクティビティ検索ウィンドウの使い方
検索条件
検索結果
◆WF区分
WF区分は、ワークフローの対象となったデータを区分します。
◆WFノード
WFノードは、ワークフローの対象となったノードを表示しています。
◆アクション
未処理WFアクティビティーは、"承認"もしくは"否認"、または"確認"する事で処理済みになります。
- 承認 … アクションが承認になっているレコードは、"承認"もしくは"否認"のいずれかを選択します。
- 確認 … 対象のレコードを確認する事で処理済みになります。承認もしくは否認とは関係ありません。
◆承認対象となったレコードの情報
承認対象となったレコードの情報は、JP_WF_Activity_Tablesビューをカスタマイズする事で追加できるようにしています。
WFアクティビティのプロセス
◆承認 / 否認 / 確認
検索ウィンドウで、選択したレコードを一括で承認もしくは否認、確認する事ができます。
- 承認 / 否認 ・・・ 承認するか否認するか選択します。アクションが確認のレコードはどちらを選択しても、同様に処理済みになります。
- コメント ・・・ 何かコメントがあれば入力します。
◆承認者の追加 / 転送
- 転送先ユーザー ・・・承認権限を転送先ユーザーに移譲します。
- 追加承認ユーザー ・・・ 他のユーザーも承認できるように追加する事ができます。
- コメント ・・・ 何かコメントがあれば入力します。
【補足説明】自動転送設定
承認者の追加 / 転送を行う際に、【JPIERE-0519】WF承認者の自動転送設定がされている場合、自動転送されます。
◆WFの対象データへズーム
WFの対象となっているデータへズームします。このボタンを押す際には、レコードは1つだけ選択して下さい。
未処理WFアクティビティ検索ウィンドウの設定
WFを承認する検索ウィンドウは、WFアクティビティー(AD_WF_Activity)テーブルを中心に、承認対象となったレコードの情報を取得するためのJP_WF_Activity_TablesビューとWFノード(AD_WF_Node)テーブルから成ります。
JP_WF_Activity_Tablesビュー
JP_WF_Activity_Tablesビューは、ワークフローでの承認対象となっているレコードの情報を表示するためのビューです。このビューは、ワークフローの設定に応じて、自由にカスタマイズして使用する事を想定しています。
JPiereの初期設定では、下記のテーブルに承認ワークフローが設定されている事を想定した設定にしています。
- 見積伝票
- 受注伝票
- 発注伝票
- 売上請求伝票
- 仕入請求伝票
- 取引先マスタ
【カスタマイズポイント】
- JP_WF_Activity_Tablesビューは上記伝票の主要な情報をUNIONを使って1つのビューにしているだけですので、ワークフローを使用する際には、使用するワークフローのテーブルを追加したり、使用しないワークフローのテーブルは削除するなどして、適切なビューに作り変えて活用して下さい。
- JP_WF_Activity_Tablesビューは、アプリケーション辞書には登録していません。
◆WF区分 [WF Type]
WF区分は、ワークフローの対象となったデータを区分するためのものですので、JP_WF_Activity_Tablesビューにテーブルを追加する際には、WF区分も追加して下さい。
※JP_WF_Typeのリファレンスも編集して下さい。
アクション [Action]
アクション[Action]は、検索ウィンドウで定義されているカラムです。このアクションの種類によって、WFアクティビティを"承認/否認"するのか、もしくは"確認"するのか処理が変わります。
カスタマイズ情報
追加クラス
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.WFActivityForward
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.WFActivityApproval
- jpiere.base.plugin.webui.apps.form.WFActivityZoom
追加ビュー
- JP_WF_Activity_Tables
【補足情報】JPIERE-0513.zipのパックイン
JPIERE-0513.zipのパックインの前に、必ずJP_WF_Activity_Tablesのビューを作成して下さい。カスタマイズ履歴
2023年7月25日(v10):処理済みのWFアクティビティは転送できないように修正
処理済みのWFアクティビティの承認者の転送ができたのを、できないように修正しました。
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.WFActivityForward
2023年7月4日(v10):2重で承認できる不具合修正
未処理WFアクティビティ(承認者用)ウィンドウを2重で開いておくことで、同じ未処理WFアクティビティを2重で承認できる不具合を修正しました。
2022年6月1日(v9):
承認した後の伝票ステータス更新処理でエラーになった時に、ロールバックし、その旨をユーザーに通知するようにしました。
関連するカスタマイズ
- 【JPIERE-0519】WF承認者の自動転送設定
- 【JPIERE-0516】ワークフローの進捗確認フォーム
- 【JPIERE-0515】検索ウィンドウでの申請したワークフロー(WF)の確認
- 【JPIERE-0514】業務状況確認ガジェットから検索ウィンドウを開く
- 【JPIERE-0513】検索ウィンドウでのワークフロー(WF)承認
- 【JPIERE-0488】WF責任者タイプ「人」で自己承認が出来ないようにする
- 【JPIERE-0487】WF責任者タイプ「職責」で自己承認が出来ないようにする
- 【JPIERE-0486】ワークフロー(WF)のメッセージ改善
- 【JPIERE-0485】WF責任者タイプ「組織」の実装
- 【JPIERE-0008】未処理WFアクティビティのWF責任者(承認者)一括更新
- 【JPIERE-0007】未処理WFアクティビティのユーザー(承認者)一括更新