振替仕訳伝票のインポートプロセスです。
振替仕訳のインポートの仕様
振替仕訳伝票インポートでは、振替仕訳伝票のデータをインポートする事ができます。
同じデータを再インポートする
これからインポートしようとしているデータと同じデータが既に登録されている場合、先に登録しているデータを削除してからインポートするか、インポートしないようにするか選択する事ができます。これはインポートするデータがトランザクションデータであるためで、データの整合性を確保するためでの仕様です。
◆同じデータかどうかの判断
同じデータがどうかの判断に、伝票番号(DocumentNo)にするか、データ移行識別子(JP_DataMigration_Identifier)にするかインポートプロセス実行時に選択する事ができます。
これはiDempiereの振替仕訳伝票の仕様上、組織が異なる場合、同じ伝票番号が存在する事を許容しているためで、伝票番号だけでは必ずしもデータを一意に識別できない場合があるためです。そのような場合にデータ移行識別子(JP_DataMigration_Identifier)フィールドを使用してデータを一意に識別する事を意図しています。
【選択肢】
- 伝票番号
- データ移行識別子
- 既存データと照合しない … ※すべてのデータをインポートします。
◆既に登録されている同じデータを削除するか、同じデータが既に登録されている場合にインポートしないようにするかどうかの選択
インポートプロセス実行時に、インポートするデータと同じデータが登録されている場合に先に登録されているデータを削除するか、インポートしようとしているデータをインポートしないようにするかどうか選択する事ができます。
【選択肢】
- 既存データの削除
- インポートしない
勘定科目の転記制御
iDempiereの標準機能では、勘定科目マスタに転記制御(IsDocControlled)フラグがあり、振替仕訳伝票での使用を禁止する事ができます(自動仕訳のみで使用する勘定科目として定義する事ができます)。このフラグがONの場合、勘定科目残高のデータ移行を行いたい場合には、振替仕訳伝票を使用する事ができなくなってしまいます。そこで、振替仕訳伝票のインポート時に転記制御を解除するかどうかインポートプロセス実行時に選択する事ができます。
インポートする情報
基本的にインポートテーブルのカラム名と同じ組織マスタのカラム名にデータがインポートされます。
◆インポート処理しないカラム
下記のカラムは今後の拡張性を考慮してインポートテーブルに追加されており、2018年7月10日現在、インポート処理されません。
- UserElement1_ID
- UserElement2_ID
-
JP_Tax_Name -
C_Tax_ID -
JP_Order_DocumentNo -
JP_Order_ID -
JP_ContractContent_DocNo -
JP_ContractContent_ID
※2022年3月24日(JPiere9)より、下記のカラムはインポートできるようになりました。
- JP_Tax_Name (税金情報マスタの名称)
- C_Tax_ID (税金情報マスタ)
- JP_SOPOType (売上/仕入区分) *新規追加カラム
- JP_Order_DocumentNo (受注伝票の伝票番号)
- JP_Order_ID (受注伝票)
- JP_ContractContent_DocNo (契約内の伝票番号)
- JP_COntractContent_ID (契約内容)
- JP_ContractProcPeriod_Name (契約処理期間の名称) *新規追加カラム
- JP_ContractProcPeriod_ID (契約処理期間) *新規追加カラム
その他
仕訳データ移行用の伝票タイプ
OSS ERP Solutionsのクライアントには、仕訳データ移行用の伝票タイプとして、"GL-DataMigration"が登録してあります。
振替仕訳データのインポート用フォーマット
システムクライアントに、振替仕訳のインポートフォーマットとして"JPiere GL Journal Import"が用意してあります。
カスタマイズ情報
関連するクラス
◆jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.JPiereImporGLJournal
-> 振替仕訳伝票をインポートするクラス。
関連するテーブル
◆I_GLJournalJP
-> 振替仕訳伝票をインポートする中間テーブル。
追加エレメント
◆JP_CollateGLJournalPolicy(Collate GL Journal Policy/振替仕訳伝票の照合方針)
デフォルト:DN
- DN:伝票番号(DocumentNo)
- MI:データ移行識別子(Data Migration Identifier)
- NO:既存データと照合しない(Do not collate with existing data)
◆JP_ReimportPolicy(Reinport policy/再インポート方針)
振替仕訳伝票の照合方針が、NO:既存データと照合しない以外の場合に選択する事ができます。デフォルト:NI。
- DD:既存データの削除(Delete Existing data)
- NI:インポートしない(Not Import)
◆IsReleaseDocControlledJP(転記制御の解除)
デフォルト:N。
- Y:転記制御の解除(Release Document Controlled)
- N:転記制御は解除しない(Not Release Document Controlled)
カスタマイズ履歴
2022年8月20日: DELETE分の構文間違いの修正
DELETE分の構文が間違っておりデータの削除時にエラーになっているのを修正しました。
2022年7月18日カラムの追加
【JPIERE-0556(v9)】青色申告書の提出の承認を受けようとする法人の帳簿の記載事項を可能な限り仕訳帳に保持する に伴い、I_GLJournalテーブルに、JP_PriceActulaカラムを追加して、インポートプログラムを修正しました。
2022年3月24日(JPiere9)より、下記のカラムがインポートできるようになりました。
- JP_Tax_Name
- C_Tax_ID
- JP_SOPOType *I_GLJOurnalJPテーブルに新規追加カラム
- JP_Order_DocumentNo
- JP_Order_ID
- JP_ContractContent_DocNo
- JP_COntractContent_ID
- JP_ContractProcPeriod_Name *I_GLJOurnalJPテーブルに新規追加カラム
- JP_ContractProcPeriod_ID *I_GLJOurnalJPテーブルに新規追加カラム
これらのカラムをインポートできるようにしたのは、下記のカスタマイズにインポート処理を対応させるためです。
【補足説明】契約処理期間[JP_ContractProcPeriod_ID]のインポートについて
契約処理期間は契約内容に入力されている契約カレンダーに属する契約処理期間でないとインポートする事ができません。必ず契約内容と一緒にインポートして下さい。そして、その契約内容に設定されえちる契約カレンダーに属する契約処理期間を設定するようにして下さい。