在庫評価プロファイルには、在庫評価の方針や、一連の在庫評価処理に必要となる情報を設定します。在庫評価プロファイルにより、在庫評価の処理に一貫性を持たせる事ができます。
在庫評価プロファイルウィンドウ
在庫評価プロファイルタブ(JP_InvValProfileテーブル)
- 会計スキーマを入力すると、在庫評価レベルと通貨は会計スキーマの値が自動入力され、変更できなくなります。
◆デフォルト
在庫評価に一貫性を持たせるため、デフォルトとなる在庫評価プロファイルはこのフラグをONに、その他の在庫評価プロファイルと区別できるようにするフラグです。在庫評価の計算結果を標準原価に反映させる正式な在庫評価プロファイルの場合にONにする事を意図しています。デフォルトフラグがOFFの在庫評価プロファイルは、シミュレーション目的に使用する事を意図しています。デフォルトフラグをONにすると、会計スキーマの入力が必須になります。
◆会計スキーマ
在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる会計スキーマを選択します。デフォルトフラグがONの場合、必須入力になります。在庫評価方法が標準原価になっている会計スキーマを入力するのを意図しています。
◆更新する原価
在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる標準原価のフィールドを次の3つから選択します。デフォルトフラグがONの場合、必須入力になります。品目原価を更新するフィールドを選択する事を意図しています。
- 現在の原価(Current Cost : CC)
- 将来の原価(Future Cost : FC)
- 両方(Both Current Cost and Future Cost : BT)
◆在庫評価方法
在庫の評価方法を設定します。
◆在庫評価方法
在庫の評価レベルを設定します。
◆通貨
在庫評価を行う通貨を設定します。会計スキーマを設定した場合は、その会計スキーマの通貨になります。
◆適用金額
在庫評価方法が”先入れ先出し(FIFO)”か”後入れ先出し(LIFO)”の場合に表示され、評価金額を”発注金額”と”請求金額”のどちらの金額をもとに行うのか選択します。
◆通貨レートタイプ
為替の換算時に使用する事を想定しています。
◆在庫が0の場合でも在庫評価する
これをONにすると在庫が無い品目の場合でも在庫評価計算を行う事ができます。
- 在庫評価計算伝票 … OFFの場合は在庫が0の品目は、在庫評価計算伝票の明細を作成しません。
- 在庫評価調整伝票 … [2021年1月10日]在庫評価調整伝票明細の作成処理において、在庫評価プロファイルの"在庫が0の場合でも在庫評価する"フラグがOFFで、期末の在庫残高が0円でかつ品目マスタの"取扱終了"フラグがONの品目は、在庫評価調整伝票明細が作成されないように改善しました。
◆プライスリスト
在庫評価調の履歴を保持するプライスリストを選択します。任意入力項目です。
◆プライスリストスキーマ
プライスリストに在庫評価調の履歴を保持する際に、バージョンを作成するのに使用するプライスリストスキーマを選択します。プライスリストを設定した際には必須入力になります。
◆伝票タイプ
在庫評価調整伝票から振替仕訳伝票を作成する際に使用する事を想定しています。デフォルトフラグがONの時は必須入力になります。
◆伝票ステータス更新
在庫評価調整伝票から振替伝票を作成する際に実施する伝票ステータス更新処理を選択します。デフォルトフラグがONの時は必須入力になります。
◆在庫評価調整勘定
在庫評価調整伝票から棚卸資産勘定残高を調整する仕訳を作成する際に、棚卸資産勘定の相手勘定となる勘定科目を設定します。デフォルトフラグがONの時は必須入力になります。
◆在庫評価計算伝票明細作成クラス
在庫評価計算伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
◆在庫評価計算クラス
在庫評価計算伝票において、その評価計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
◆品目原価更新クラス
在庫評価計算伝票において、計算した在庫評価をもとに品目原価を更新するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
◆在庫評価調整伝票明細作成クラス
在庫評価調整伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
◆在庫評価調整額計算クラス
在庫評価調整伝票において、その調整額を計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
◆振替伝票作成クラス
在庫評価調整伝票において、計算した調整額をもとに振替伝票を作成するクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で設定します。
【補足説明】リファレンスのフィールドグループに属するフィールドについて
リファレンスのフィールドグループに所属するフィールドは、在庫評価計算伝票の明細を作成する際に、その明細作成対象を絞り込む条件として使用する事を意図しています。1つの在庫評価プロファイルには、1つの評価方法しか定義できません。ユーザー企業によっては、複数の在庫評価方法が必要になる場合もあるでしょう。そのようなケースにおいて、評価対象となる品目を区分するキー情報は色々なケースが考えられます。そのため必要に応じてフィールドを追加し、拡張して活用して下さい。
◆品目カテゴリ
指定した品目カテゴリに所属する品目マスタだけの在庫評価を行います。(※2019年4月28日追加)
評価対象組織タブ(JP_InvValOrgテーブル)
評価対象組織タブでは、在庫評価プロファイルの評価範囲となる組織を定義します。ここに割り当てる組織は、会社単位で組織を割り当てる事をイメージしています。複数会社を1つのJPiereで管理するような場合、会社毎に在庫評価プロファイルを作成し、会社毎に作成されている在庫評価プロファイルに対して、この評価対象組織タブで、その会社に属する組織マスタを全て割り当てて下さい。
- 在庫評価プロファイル(JP_InvValProfile_ID)と組織(AD_Org_ID)で一意になります。
- *の組織は設定できません。
- プライスリストとプライスリストスキーマのフィールドは使用していません。
◆在庫評価プロファイルと評価対象組織と会計スキーマの関係
- 在庫評価プロファイルは、会社毎あるいは、任意の組織グループ単位で作成します。
- 1つの会計スキーマを複数の在庫評価プロファイルで使用する事ができます。
- 組織マスタは、在庫評価プロファイルによりグループ化されます。グループ化された組織を1つの在庫評価単位として在庫評価します。
在庫評価は通常会社単位で行われます。そのため在庫評価プロファイルを使用して、組織マスタを会社毎にまとめています。この事により、仕入はしていないが在庫だけは持っている組織の在庫も正しく評価できます。1つの会社を複数の組織で運用する場合、在庫移動により、仕入をしなくても在庫は持っているという組織がありえます。そして1つのクライアントを複数会社で運用している場合、仕入はしていないが在庫を持っている組織の在庫を評価する際に、実際に仕入れをした組織を含む在庫評価の枠組みを設定しておかないと、正しい在庫評価が行えません。そのためJPiereでは、在庫評価プロファイルに、在庫評価組織を割り当てる事により、在庫評価を行う枠組みを定義しています。
カスタマイズ履歴
2022年11月24日(v9):エラー表示の修正
在庫評価プロファイルウィンドウを開いた時に表示される下記のエラーを修正しました。
class java.math.BigDecimal cannot be cast to class java.lang.String (java.math.BigDecimal and java.lang.String are in module java.base of loader 'bootstrap')
在庫評価プロファイルのタブの設定において、プロセスの表示ロジックに誤りがありましたので、下記の赤線の通り修正しました。
2019年4月27日
在庫評価プロファイルのリファレンスのフィールドグループの品目カテゴリに絞り込んで、在庫評価計算伝票を作成できるようにしました。
カスタマイズ情報
追加テーブル
- JP_InvValProfile
- JP_InvValProfileOrg
追加リファレンス
- JP_UpdateCost
- JP_ApplyAmtList
追加Javaクラス
- MInvValProfileとそのXクラスとIクラス
- MInvValProfileOrgとそのXクラスとIクラス
- JPiereInvValProfileCallout
追加メニュー
- ウィンドウ:在庫評価プロファイル