日本には締日を設けて、請求書を発行する商習慣があります。iDempiereには既に標準機能で月締めで売上請求伝票を一括して作成することができるので、iDempiereで会計を使用しない多くの場合、この”まとめ請求書”を使用しなくても締日でまとめた請求書を発行することができるでしょう。
このまとめ請求書の機能は、締日を設けて請求書を発行する必要があり、会計側で売上の計上をリアルタイムで把握したい場合に使用する事を想定しています。
iDempiereでは売り上げの計上(売上の仕訳の起票)は売上請求伝票で行います。そのため月次の締め処理で売上請求伝票を一括して作成する場合、それまでの間は会計の仕訳として売上は計上されません。受注伝票と出荷納品伝票から、売上金額を把握する事はもちろん可能ですが、iDempiereで会計を導入する場合、やはり会計側でも仕訳としてリアルタイムで売上を確認したいのではないでしょうか?
”まとめ請求書”の機能の本質は、売上請求伝票(売上の仕訳)を作成するタイミングと請求書(請求データ)を作成するタイミングを分ける事にあります。
売上請求伝票は会計的に売上を計上するタイミングで作成する事を前提に、請求書を作成するために必要となるデータは締日以降に”まとめ請求書”の機能を活用し作成します。そうすることで締日を設けて請求書を発行している日本企業が、iDempiereをERPとして活用する場合に、利益をリアルタイムで把握するというERPの最大のメリットのひとつを享受できるようになります。
まとめ請求書は、複数の売上請求伝票を1つの”請求書”にまとめる機能です。
まとめ請求書のイメージ
- 売上請求伝票は、会計的に売上を計上するタイミングで作成します。
- まとめ請求書は、請求書を発行するタイミングで作成します。
まとめ請求書の基本業務プロセス
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会計の売上計上タイミングで作成される売上請求伝票を、”まとめ請求書作成スキーマ”の設定情報をもとに、”まとめ請求書作成処理”プロセスにより、まとめ請求書を作成します。
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もちろん、手入力によりまとめ請求書を作成及び修正する事もできます。
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作成した"まとめ請求書"のデータをもとに請求書を印刷します。
- 【JPIERE-0604(v10)】まとめ請求書から請求書印刷プロセス
- 【JPIERE-0596】まとめ請求書から取引先に合わせた請求書を印刷する
- 【JPIERE-0508】まとめ請求書/支払依頼伝票での消費税再計算
- 【JPIERE-0507】まとめ請求書の前回請求金額と前回入金額の自動代入
- 【JPIERE-0274】支払依頼伝票
- 【JPIERE-0216】入金伝票でまとめ請求書を指定した消込処理
- 【JPIERE-0214】入金伝票の消込処理タブでの加入金消込処理の修正
- 【JPIERE-0108】まとめ請求書(フォーマット1)
- 【JPIERE-0107】まとめ請求書データ作成プロセス
- 【JPIERE-0106】まとめ請求書
関連クラス
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.model.MBill(新規追加)
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.model.MBillLine(新規追加)
- jpiere.base.plugin.org.compiere.acct.Doc_JPBill(新規追加)
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.callout.JPiereBillBPartnerCallout(新規追加)
- jpiere.base.plugin.org.adempiere.callout.JPiereBillAmountCallout(新規追加)
- jpiere.base.plugin.factory.JPiereBasePluginModelFactory(更新)
- jpiere.base.plugin.factory.JPiereBasePluginColumnCalloutFactory(更新)
- jpiere.base.plugin.factory.JPiereBasePluginDocFactory(更新)
関連テーブル
- JP_Bill(新規追加)
- JP_BillLine(新規追加)
- C_InvoiceテーブルにJP_Bill_IDを追加。JP_Bill_IDには初回の請求書のIDを保持する。
追加メッセージ
- JP_DifferentCurrency:通貨が異なります。
- JP_InvalidDocStatus:無効な伝票ステータス。
主なパラメータ設定
- まとめ請求書のベース伝票タイプ"JPB"の追加。
- まとめ請求書の検索ウィンドウの追加
2024年3月16日 Ver11
現在時点での未消込金額を取得するMBill#getCurrentOpenAmt()メソッドで、ベース伝票タイプがARC/APCの売上伝票が含まれている場合、正しい金額にならない不具合を修正しました。
2022年3月1日 Ver9
転記処理が即時転記以外の場合(システムコンフィグ設定「CLIENT_ACCOUNTING」の値が"I"以外の場合)に、伝票ステータスが"完成"にならない不具合を解消しました。
2016年4月30日
- JP_BillテーブルにDateAcctカラムの追加
2017年2月5日
JP_Billテーブルに下記の2つのカラムを追加。
◆JP_PromisedPayDate
入金予定日として使用する想定
・英語名称: Promised Payment Date
・日本語名称: 入金予定日 / 支払予定日
◆C_BankAccount_ID
入金予定口座の情報として使用する想定