異なる取引先マスタ間で、債権/債務、入金/支払の消込処理ができる画面です。
JPiere ver9より
JPiere ver9(正確には2022年9月3日以降のソースコード)より、異なる取引先マスタ間での消込処理が大幅に機能改善しました。これで、あらゆるパターンの消込処理が行えるのではないかと思います。
【主な改善点】
- 異なる組織間でも消込処理ができるように改善。
- 消込伝票を作成する組織と日付を設定できるように改善。
- 異なる取引先同士の、入金伝票と支払伝票を消込処理できるように改善。
- 異なる取引先同士の、売上請求伝票と仕入請求伝票を消込処理できるように改善。
操作方法
基本的には、iDempiere標準の消込処理画面と同じ操作方法です。
大きな違いは、2つの取引先と組織が選択できるようになっている点です。それぞれ2つ選択するのが面倒な場合は、取引先の代わりに法人マスタを選択することができますし、組織マスタの代わりにグループ法人を選択することができます。
◆取引先
取引先フィールドは2つあり、それぞれに別の取引先を入力します。入力した2つの取引先マスタそれぞれの入金伝票と支払伝票が上段に、売上請求伝票と仕入請求伝票が下段に表示されます。
◆法人マスタ
法人マスタフィールドを入力すると、その法人マスタと結びついて取引先マスタの入金伝票と支払伝票が上段に、売上請求伝票と仕入請求伝票が下段に表示されます。
1つの法人に対して複数の取引先マスタを登録して運用しているようなケースで使用すると便利だと思います。
◆組織
組織フィールドは2つあり、それぞれに別の組織を入力します。入力した2つの組織マスタそれぞれの入金伝票と支払伝票が上段に、売上請求伝票と仕入請求伝票が下段に表示されます。
◆グループ会社
グループ会社フィールドでは、組織情報タブの法人マスタフィールドに入力されている法人マスタが選択できるようになっています。JPiereでは組織マスタと法人マスタを結び付けて管理できるようになっています。これはJPiereをグループ経営のツールとして使用する場合において、複数の会社を1つのクライアントで管理しようとした時に、グループ企業を法人マスタとして登録し、組織マスタと結びつけることで、どのグループ企業の組織なのか判別できるようにすることを意図しています。
グループ会社を選択することで、グループ会社に結びついている組織の入金伝票と支払伝票が上段に、売上請求伝票と仕入請求伝票が下段に表示されます。
【ポイント】異なるグループ会社間の消込処理はできません。
消込処理において、誤って異なるグループ会社間の消込処理ができないようにしています。
◆通貨
消込処理したい伝票の通貨を選択して下さい。
◆消込伝票: 伝票の組織
消込伝票を作成する組織を選択します。
◆消込伝票: 伝票日付
消込伝票を作成する日付を選択します。空欄にするとログイン日付で作成されます。
【技術情報】
このカスタマイズは、iDempiere標準の消込処理のプログラムもとにカスタマイズしています。
【もとになっているソースコード】
- org.compiere.apps.form.WAllocation.java
- org.compiere.apps.form.Allocation.java
関連するカスタマイズ
JPiere9では下記のカスタマイズで、消込伝票の外貨の仕訳ロジックが大幅に改善していますので、【JPIERE-0052】JPiereの消込伝票の自動仕訳カスタマイズも合わせてご確認下さい。
JPiere ver8まで
JPiere ver8(正確にはver9の2022年9月2日までのソースコード)の仕様になります。
この時のソースは、Two Business Partner AllocationをJPiere Base Pluginに取り込んだものです。
【注意】異なる取引先マスタ間で債権債務を消込した際の自動仕訳対応
この"JPIERE-0026:異なる取引先マスタ間での債権債務の消込"では、消込伝票の自動仕訳まではカスタマイズされていません。異なる取引先マスタ間での債権債務の消込み結果を正しく自動仕訳に反映させるためには"JPIERE-0052:異なる取引先マスタ間での債権債務の消込の自動仕訳対応"が必要になります。
技術情報
JPiere Base Pluginをインストールすると、「JP Payment Allocation(JP 消込伝票)」フォームが追加されますので、メニューツリーに割り当てて下さい。
カスタマイズ履歴
2022年10月13日(ver9)不具合修正
組織情報タブに設定されいてる異なる法人マスタ間での債権/債務の消込処理の判定において不具合があったので修正しました。
2022年9月3日(ver9)
消込処理(異なる取引先マスタ間)の機能をリファクタリングするとともに、大幅に機能改善しました。