【iDempiere PJ Reports】iDempiere6.1バージョンアップ情報

iDempiereはここ数年、10月31のハロウィンにバージョンアップを行うのが慣例となっています。2018年の今年は若干遅れましたが、5.1から6.1へバージョンアップが行われていますので、そのバージョンアップについて調査及び研究し、その成果をここにまとめておきます。

 

iDempiere6.1の新機能及び機能改善

IDEMPIERE-3799:プロセスの同時実行の制御

同じユーザーが同時に同じプロセスを実行できないように制御する事ができます。ウィンドウで選択しているレコードに対してプロセスを実行している場合は、同じユーザーで同じレコードに対して同時にプロセスを実行できないように制御する事ができます。

プロセスの同時実行の判定にユーザー情報が条件として入っていますので、誤操作によるプロセスの重複実行を防ぐ事が目的の制御だと思われます。

  • 同時実行は許可しない … 同じユーザーが同時に同じプロセスを実行する事はできません。ウィンドウで選択しているレコードに対してプロセスを実行する場合には、同じユーザーで同じレコードに対して同時にプロセスを実行する事はできません。
  • 同じパラメータでは同時実行は許可しない … 同じユーザーが同じパラメータでプロセスを重複実行しないように制御する事ができます。

 

IDEMPIERE-3794:ハウスキーピングの機能改善

アプリケーション辞書に設定されているテーブル以外のテーブルでもハウスキーピングできるように改善

 

IDEMPIERE-3760:バーチャルUIカラム

バーチャルカラムの機能は、とても便利な反面、サブクエリーを発行する事によるパフォーマンス的には好ましくありません。そこで既存のSQLカラムの記述を"@SQL="から始める事よって、必要な時にSQLを発行するバーチャルUIカラムの機能が実装されました。@SQL=の後には、コンテキストの変数を使って記述する事ができます。

 

IDEMPIERE-3639:フィールドのプレースホルダ設定

ウィンドウのフィールドをはじめとして、プロセスのパラメータや、検索ウィンドウの検索フィールドにプレースホルダを設定できるようになりました。

プレースホルダを使用する事で入力を促す事ができます。
プレースホルダを使用する事で入力を促す事ができます。

ウィンドウのフィールドやプロセスのパラメータ、検索ウィンドウのフィールドなどにプレースホルダフィールドが追加されています。多言語対応していますので、翻訳タブへの設定も忘れないようにして下さい。プレースホルダの大元の設定として、エレメントにもプレースホルダフィールドが追加されています。

 

IDEMPIERE-3545:About Windowでのプラグイン情報の表示

システムクライアントでAbout Windowを呼び出すとプラグインタブが追加されて表示されます。

 

IDEMPIERE-3535:アイコンフォント

システムコンフィグ設定で、ZK_THEME_USE_FONT_ICON_FOR_IMAGE を Y とする事で、アイコンフォントに変更する事ができるようになりました。

 

IDEMPIERE-2816:バックグラウンドのパラメータ設定を強制してプロセスを実行する制御

プロセスをバックグラウンドで実行するか、フォアグラウンドで実行するかプロセス毎に制御する事ができるようになりました。

◆バックグラウンドかフォアグラウンドで実行するか選択可能な場合

※実行タイプに何も設定しない場合です。

◆バックグラウンド実行を強制する場合

◆フォアグラウンド実行を強制する場合

 

IDEMPIERE-2310:フィールドのHTMLエディター対応

HTMLエディターをダブルクリックで呼び出して、表示されるテキストにHTMLが適用されるように制御できるようになりました。

テーブルとカラムの設定
テーブルとカラムの設定
HTMLが適用されて表示されます。
HTMLが適用されて表示されます。
ダブルクリックするとHTMLエディターが表示されて編集する事ができます。
ダブルクリックするとHTMLエディターが表示されて編集する事ができます。

iDempiere6.1の開発環境について

iDempiere6.1よりビルドツールがbackminsterからMavenに変更になっています。