Google Compute EngineのUbuntu22.04LTSにiDempiere10をインストールする
Google Compute Engineのクラウト上で、Ubuntu22.04LTS(2027年4月頃までのサポート)にiDempiere10もしくはJPiere10をインストール(デプロイ)する方法について調査及び研究し、その成果をまとめています。
基本的な流れは、他のLinuxディストリビューションでも同じになります。
ページ内目次
- インスタンスを作成する
- OpenJDK17のインストール
- unzipのインストール
- PostgreSQLのインストールと初期設定
- iDempiere or JPiereのダウンロード
- iDempiere10/JPiere10のインストール(デプロイ)
- 日本語環境にする
インスタンスを作成する
Google Compute Engine(以下、GCE)でUbuntu22.04のインスタンスを作成して下さい。
GCEのインスタンスを作成する方法や、そのインスタンスへのアクセス方法については、このコンテンツでは省略します。知りたい方は下記のコンテンツを参照して下さい。
sudo apt-get install wget unzip
PostgreSQLのインストールと初期設定
iDempiere10で使用しているPostgreSQLのドライバーは42.5.0です。このドライバーに対応しているPostgreSQLを使用して下さい。
※JPiere10のPostgreSQLのダンプファイルは、PostgreSQL14から取得しています。
iDempiere or JPiereのダウンロード
iDempiereをインストールしたい場合は、iDempiereのインストールパッケージをダウンロードして下さい。JPiereをインストールしたい場合は、JPiereのインストールパッケージをダウンロードして下さい。
iDempiereのダウンロード
iDempiereのインストールパッケージはSourceForgeで公開されています。
iDempiereコミュニティーが用意しているインストールパッケージは、バージョンアップしたタイミングのインストールパッケージと、日々ビルドされているインストールパッケージが用意されています。ここでは、バージョンアップしたタイミングで公開されたインストールパッケージをダウンロードします。
Path : Files > v10 >server
- idempiereServer10.gtk.linux.x86_64.zip
JPiereのダウンロード
JPiereのインストールパッケージはSourceForgeとOSDNで公開しています。
◆SourceForge: https://sourceforge.net/projects/jpiere/
Filesタブをクリックして、「jpiere10-final」フォルダ内にJPiere10のインストールパッケージがあります。
Linuxにインストールする場合は下記のファイルをダウンロードして下さい。
- JPiereServer10.Linux.x86_64.zip … JPiere10のインストールパッケージ
- ExpDat.jar … PostgreSQLのダンプファイル
【注意】JPiereのインストールパッケージには、iDempiereも含まれています。
JPiereは、iDempiereを日本商慣習対応させるためのプラグイン群ですが、OSDNで配布しているJPiereのインストールパッケージには、iDempiereも含めたシステム全体として配布しています。そのため、JPiereをインストールするのに、予めiDempiereをインストールしておくような事は不要です。
【補足説明】本番環境にはソースコードからビルドしたインストールパッケージを使用して下さい。
iDempiereのインストールパッケージもJPiereのインストールパッケージも、公開されているインストールパッケージは検証用です。本番環境で使用する際には、ソースコードからビルドしたインストールパッケージを使用して下さい。そしてビルドしたソースコードはGitHubなどに大切に保管しておいて下さい。
iDempiere10/JPiere10のインストール(デプロイ)
ダウンロードしたiDempiere10もしくはJPiere10のインストールパッケージを、GCEのインスタンスに転送して下さい。ここでは/opt/配下にデプロイする前提で説明します(※/opt/にアクセス権限を付与して下さい)。
Zipファイルの解凍
◆iDempiereの場合
iDempiereの場合は、idempiereServer10.gtk.linux.x86_64.zipの中に、iDempiereのサーバーデイレクトリとダンプファイルの両方が入っています。そのためまずは、idempiereServer10.gtk.linux.x86_64.zipを解凍します。
- idempiereServer10.gtk.linux.x86_64.zip -> idempiere.gtk.linux.x86_64ディレクトリ
sudo unzip idempiereServer10.gtk.linux.x86_64.zip
解凍したidempiere.gtk.linux.x86_64ディレクトリの中に、idempiere-serverディレクトリ(以下、%idempiere-server%)があり、このディレクトリがiDempiereの本体となります。
解凍するとディレクトリ階層がかなり深くなるので、少し浅い所に移動しておきます。
下記のコマンドは%idempiere%を 「/opt/」に移動させる例です。
sudo cp -r idempiere.gtk.linux.x86_64/idempiere-server/ /opt/
◆JPiereの場合
JPiereの場合は、JPiereServer10.Linux.x86_64.zipを解凍すると、JPiereサーバーデイレクトリ(以下、%jpiere-server%)になります。また、ダウンロードしたExpDat.jarを解凍すると、PostgreSQLのダンプファイルになります。
- JPiereServer10.Linux.x86_64.zip -> jpiere-serverデイレクトリ
- ExpDat.jar -> ExpDat.dmpファイル
sudo unzip JPiereServer10.Linux.x86_64.zip
sudo unzip ExpDat.jar
PostgreSQLのダンプファイルのリストア
◆iDempiereのダンプファイル
iDempiereのPostgreSQLのダンプファイルは、%idempiere-server%/data/seedデイレクトリにあるAdempiere_pg.jarファイルです。Adempiere_pg.jarファイルをZip解凍します。
sudo unzip Adempiere_pg.jar
解凍すると、Adempiere_pg.dmpファイルになります。このファイルをPostgreSQLにリストアます。
psql -d idempiere -U adempiere -f Adempiere_pg.dmp
◆JPiereのダンプファイル
JPiereのPostgreSQLのダンプファイルは、iDempiereのダンプファイルとは異なりますので気を付けて下さい。SoruceForgeからJPiereのインストールパッケージと一緒にダウンロードしたダンプファイルを使って下さい。
psql -d idempiere -U adempiere -f ExpDat.dmp
【注意】JPiereのインストールにはAdempiere_pg.jarは使用しない!!
JPiereのインストールパッケージと一緒にダウンロードした、ExpDat.jarを解凍してリストアして下さい!!
iDempiere/JPiereの初期セットアップ
ここからは、iDempiereもJPiereも同じ手順です。
◆idempiereファイルの権限をゆるくする
idempiere-server(※jpiere-server)ディレクトリの直下にあるidempiereファイルの権限をゆるくしないと、初期セットアップがパーミッションエラーになるので、ゆるくしておきます。
sudo chmod 777 idempiere
◆console-setup.shの実行
console-setup.shを実行して、初期セットアップを行います。
sudo sh console-setup.sh
- Java Home [**********] ※自動入力(Default)
- Java Options [-Xms64M -Xmx512M] ※必要に応じて修正。意味がわからない人はとりあえずデフォルトでOK。
- iDempiere Home [**********] ※自動入力(Default)
【SSLの設定】
- Key Store Password [myPassword] ※自動入力(Default)
- (ON) Common Name [root] ※自動入力(Default)
- (OU) Organization Unit [iDempiereUser] ※自動入力(Default)
- (O) Organization [root] ※自動入力(Default)
- (L) Local/Town [MyTown] ※自動入力(Default)
- (s) State []
- (c) Country(2 Char) [US] ※手入力 [JP] でも可
【アプリケーションサーバー】
- Application server host Name [GCEのインスタンス名]
- Application Server Web Port [80]
- Application Server SSL Port [443]
【データベースサーバー】
- DB Already Exists? (Y/N) [Y]
- Database Type [2] ※PostgreSQL
- Database Server Host name [localhost] ※自動入力(Default)
- Database Server Port [5432] ※自動入力(Default)
- Database Name [idempiere] ※自動入力(Default)
- Database user [adempiere] ※自動入力(Default)
- Database password [adempiere] ※自動入力(Default)
- Database System User Password [] ※postgresユーザーのパスワード
【データベースサーバー】
- DB Already Exists? (Y/N) [Y]
- Database Type [2] ※PostgreSQL
- Database Server Host name [localhost] ※自動入力(Default)
- Database Server Port [5432] ※自動入力(Default)
- Database Name [idempiere] ※自動入力(Default)
- Database user [adempiere] ※自動入力(Default)
- Database password [adempiere] ※自動入力(Default)
- Database System User Password [] ※postgresユーザーのパスワード
【メールサーバー】
- Mail Server Host Name [localhost] ※自動入力(Default)
- Mail User Login []
- Mail User Password []
- Administrator Email []
- Save changes (Y/N) [Y]
【補足説明】console-setup.shの実行が上手くいかない時には…
console-setup.shの実行が上手く行かない時には、console-setup-alt.shを実行して、初期セットアップを行ってみて下さい。
sudo sh console-setup-alt.sh
iDempiereの起動
$ sudo sh idempiere-server.sh &
もしくは
$ nohup ./idempiere-server.sh &
これで、iDempiereが起動されます。Webブラウザでアクセスしてみて下さい。
sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -P /etc/apt/trusted.gpg.d/
sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -P /etc/apt/trusted.gpg.d/
sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/jammy.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
sudo apt update
sudo apt-get upgrade
sudo apt-get install ubuntu-defaults-ja
いきなり上記のような画面が表示されてびっくりしましたが、十字キーの下を押すとカーソルが下に動いて、一番したまでいったらTabを押すと<OK>が選択できるので、Enterキーを押して続行します。
上記コマンドを実行したらいったんUbuntuごと再起動をするのをオススメします。