iDempiere（アイデンピエレ）の品目マスタ管理

　ここのコンテンツの中心となる品目マスタは英語だと”Product Master”です。そのまま製品マスタと直訳されることがありますが、その役割や機能はいわゆる”製品”の範囲を超えています。そのため適切な翻訳は難しいのですが、私（萩原秀明）は、”Product”を抽象的にとらえて”品目"と訳しています。ここでは、その品目マスタの役割りや機能について調査及び研究し、その成果をまとめています。

ページ目次

品目マスタの役割りと機能
品目マスタ設定フロー
品目マスタ管理メニュー

品目マスタの役割りと機能　トレーニングコンテンツ(AB01:基本業務プロセス)

　iDempiereの品目マスタには多くの役割りや機能がありますが、ここでは品目マスタの主な役割りや機能について概要的に説明します。

商品(merchandise)

　Productを“製品”と訳してしまうと、”作ったもの”というイメージがありますが、iDempiereの品目(Product)マスタは、仕入先から“仕入れた物(商品)”としての役割もあります。仕入れた商品を販売するとうい一連の経済活動の中で、商品別の在庫数などを管理するために品目マスタが使われます。

製品(Product)

　iDempiereには、標準機能でManufacturing Liteと呼ばれる生産管理機能があり、プラグインとしてLibero Manufacturingと呼ばれる生産管理機能があります。そのため”Product”という通り、”製品”の管理単位として品目マスタが使われます。

部材(Material)

　“製品”を作るためには、”部材（部品／材料）”が必要です。iDempiereの品目マスタは”部材”の管理にも使用されます。

サービス(Service)

　商品の中には、在庫管理とは関係ない、サービスを提供するような商品もあります。iDempiereでは、品目マスタにそのようなサービスを登録し、仕入／販売する事ができます。

リソース(Resource)

　サービスの中でも、スケジュール管理が必要なサービスもあります。例えば、貸会議室であったり、マッサージなどです。そのようなスケジュール管理が必要なサービスをiDempiereでは「リソース(Resource)」と言い、品目マスタに登録して販売する事ができるのはもちろん、同時にスケジュールを管理する事ができます。

経費(Expense)

　iDempiereの仕入請求伝票(AP Invoice)には、勘定科目を直接入力する事ができません。代わりに料金タイプを使用して経費処理する事ができますが、料金タイプの情報は会計仕訳には引き継がれません。勘定科目の情報だけでなく、より細かな情報も会計仕訳に引き継がせたい場合に、品目マスタを使用して経費処理できるようになっています。経費として品目マスタを使用する事により、管理会計でより詳細な分析業務が行えるようになります。