ときどき、「iDempiereの推奨ブラウザは何ですか?」という趣旨の質問を受けます。
この質問への回答として私は「主要ブラウザなら大丈夫ですよ。」というような回答をしていますが、iDempiereでは、非推奨のブラウザを使用すると、ログイン画面に警告的にメッセージが表示されるようになっていますので、そのメッセージが表示されていなければ、推奨ブラウザという認識で良いかなと思います。
試しに、IE11の開発者ツールで、IE6になりすまして、iDempiereのログイン画面にアクセスしてみます。
そうすると、画面右上に下記のメッセージが表示されています。
You might experience slow performance and user interface anomalies using your current browser to access the application. We recommend the use of Firefox, Google Chrome or Apple Safari.";
このメッセージは多言語化されていないので英文ですが、内容的には、使用しているブラウザでは、パフォーマンス的に悪くなる可能性と表示が意図した通りにならない可能性がある事と、推奨ブラウザが"Chrome"、"FireFox"、"Safari"である事の記載がされています。
このメッセージを読むとiDempiereの推奨ブラウザが"Chrome"、"FireFox"、"Safari"だけかと思われていましますが、これはこのメッセージの内容が少し古くなってしまっているからで、基本的には、このメッセージが表示されなければ、そのブラウザは利用して大丈夫だと思って良いと思います。
ブラウザの判定の処理は、WLoginクラスで行われています。
WLoginクラスのdoCreatePart()メソッドで、ログイン画面を作成する時にアクセスしているブラウザを確認して、推奨ブラウザでなければ上記メッセージを表示しています。
実際に判定処理しているAEnv#isBrowserSupported()クラスでは次のように実装されています。
ざっと読むとIEはバージョンが8以上が推奨ブラウザである事がわかります。
そして、Edgeが見当たらない事にも気が付くかもしれません。
2019年4月28日現在、Edgeはこの判定上"chrome"として判定されています。
これはバグ(不具合)というわけではなく、Edgeの内部でChromeが使用されているからだと思います。
- マイクロソフトがChromeとコラボ、新型「Edgeブラウザ」の進化(Forbes:2019年4月9日の記事)
実際、iDempiereのWeb-UIの開発フレームワークである、ZKのServletクラスでは、ブラウザ情報として次のように認識している事がわかります。
Edgeはchromeと同じという事で、推奨ブラウザと考えて良いのではないかと思います。
ちなみに、Operaもchromeと見なされていました。
このようにアクセスに使用するブラウザよりも、ブラウザの中身の所で判定しているようですので、ログイン画面にメッセージが表示されていなければ、推奨ブラウザであるという認識で良いのではないかと思います。
あとはiDempiereのWeb-UIの開発フレームワークであるZKのサポートブラウザを確認するのも良いかと思います。ZKがサポートしていれば、基本的にはiDempiereもそのブラウザをサポートしていると考えて差し支えないかなと思います。
上記リンク先の下部に、ZKがサポートしているブラウザが表示されています。