【iDempiere標準業務機能】棚卸データインポート

棚卸データインポートについて調査及び研究し、その成果をまとめています。

 

棚卸データインポートテーブルウィンドウ

インポートプロセスのパラメーター

◆組織

インポートデータに組織の情報が入力されていない、もしくはAD_Org_ID=0の場合、ここで入力した組織でインポート処理される事になります。

棚卸データの倉庫が属する組織と伝票に入力する組織が異なっている場合、棚卸伝票を作成する事ができません。

インポートデータに組織情報が無い場合は、複数組織にまたがったインポート処理は行えませんので、注意して下さい。

◆保管場所

インポートする棚卸データに保管場所が入力されていない場合に、ここで選択した保管場所が設定されます。ここで選択できる保管場所は選択した組織に属するデフォルトフラグがONの保管場所のみです。入力必須となっていますが、棚卸データに保管場所が入っていれば、ここで選択する保管場所には特に気にする必要はありません。

◆伝票ステータス更新

棚卸伝票を作成した後で実行する伝票ステータス更新処理を選択します。"完成にする"のみ選択できます。選択しない場合は"草案"で作成されます。

◆移動日付

インポートするデータに移動日付が無い場合は、ここで選択した日付で棚卸伝票が作成されます。

◆Update Costing

原価調整伝票を使用して品目原価を更新する際にONにします。棚卸データをインポートするだけであればOFFにしておきます。

追加パラメーター

Update CostingのフラグをONにすると追加のパラメータ入力が求められます。Update CostingのフラグをONにすると下記のパラメータは入力必須となります。

棚卸データインポート処理の流れ

データの整合性チェック

◆伝票タイプのチェック

伝票タイプ名称から棚卸伝票で使用する伝票タイプを探します。ベース伝票タイプがMMIの伝票タイプが逆引き対象となります。

◆保管場所のチェック

保管場所の検索キーから該当する保管場所を探します。該当する保管場所が見つからなかった場合、通路(X),棚(Y),段(Z)の値から保管場所を探します。

◆倉庫のチェック

上記で探した保管場所が所属する倉庫を探します。

そして、組織と倉庫に矛盾が無い事を確認します。

◆品目マスタのチェック

品目マスタの検索キーから該当する品目マスタを探します。該当する品目マスタが見つからない場合は、UPCの値から品目マスタを探します。

◆摘要科目マスタのチェック

摘要科目マスタの名称から該当する摘要科目マスタを探します。

◆数量のチェック

社内使用数量もしくは棚卸数量の両方がNULLになっているデータをチェックします。

◆摘要科目マスタのチェック

社内使用数量が0でない場合は、社内使用在庫伝票として摘要科目の入力がある事をチェックします。

 

インポート処理

◆インポートデータの取得

I_Inventoryテーブルのデータがまだイポートされていないデータを倉庫、移動日付、登録した順に取得します。

◆社内使用在庫伝票の判断

I_Inventoryテーブルは棚卸伝票と社内使用在庫伝票、原価調整伝票で兼用しているため、社内使用在庫伝票かどうか判断します。

◆新規伝票登録と伝票ステータス更新処理

先に登録されている伝票がある場合、今登録しようとしているデータの「倉庫」と「伝票タイプ」と「移動日付」と「登録する伝票の種類(棚卸伝票か社内使用在庫伝票か)」が先に登録されている伝票と異なる場合は、伝票ステータス更新処理を実行し、新たに別の伝票を作成します。先に登録されている伝票と同じ場合は、その伝票に明細として追加されて行きます。

先に登録されている伝票が無い場合も、新規に伝票を作成します。

◆明細の作成

属性セットインスタンスを使用している場合は、属性セットインスタンスを探したのちに、伝票明細を作成します。