OSS業務アプリケーションならではの違いを知る
Compiere DistributionはオープンソースのERPであり、オープンソースの業務アプリケーションに含まれます。オープンソース(OSS)業務アプリケーションと、他のアプリケーションを比較してその違いを理解しておくことは、上手に活用するためにもとても重要な事だと思いますので、ここではオープンソースの業務アプリケーションと、他のアプリケーションとの違いに焦点をあてて色々な観点から、その違いを考えたいと思います。
問1.「オープンソースのOSやミドルウェア(DB等)」と「OSSの業務アプリケーション」の大きな違いは何か?
この問いに対する答えは、いくつか考えらえるかと思いますが、私の経験では次の点が一番大きな違いだろうと思います。
答え:カスタマイズが行われるかどうか
同じオープンソースでもLinuxなどのOSやPostgreSQLなどのミドルウェアは、導入企業の要件に応じてチューニング作業などはあっても、ソースコードを追加/修正するような開発を伴うカスタマイズを行う事は通常はありません。しかし、業務アプリケーションは導入企業の要件に応じてカスタマイズが必要になってきます。
ソースコードを自由に追加/修正して好きなようにカスタマイズができるというオープンソース本来のメリットは業務アプリケーションにこそ発揮されるのです。
問2. 「商用業務アプリ」と「OSSの業務アプリ」で導入に対する考え方(SIの方法論)や取り組みは同じで良いか?
この問いに対する答えは人により色々あるかと思いますが、次のような観点で各々が考えることが大切な事かなと思います。
- 商用業務アプリケーションをカスタマイズする場合、パラメータ設定/コンフィグ設定が主で、ソースコードを直接修整するようなModificationはサポート対象外になってしまうため通常は行いません。Add-On開発も極力少なくしろと言われたりします。オープンソースの業務アプリケーションも同じような考えで導入プロジェクトを推進すべきなのでしょうか?
- 商用業務アプリケーションでは、業務をアプリケーションに合わせるようにコンサルティングされますが、オープンソースの業務アプリケーションも同様の考え方で良いのでしょうか?
- ウォーターフォール型の開発モデルが最適なのでしょうか?
【ポイント】アジャイルにも適しているCompiere Distribution
Compiere Distributionは、ビジネスロジック(データ処理ロジック)以外は、基本的にパラメータ設定で開発できるように考えられています。これらの強みを活用して、アジャイル的な開発を行う事もできます。