システムの枠組み

Compiere Distribuitonには「クライアント(Client)」、「組織(Organization)」、「取引組織(Transaction Organization)」、「倉庫(Warehouse)」、「保管場所(Locator)」などのシステムの枠組みを形作るマスタが存在します。

これらのマスタをどのように定義するかで、Compiere Distributionは単体企業にも複数企業(グループ企業)にも導入する事ができるように考えられています。

 

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Compiere Distributionの枠組み概念図

次のイメージは、一般的なCompiere Distributionの枠組みを階層化して表しています。

システムの枠踏み
システムの枠組み

クライアント(Client)

Compiere Distributionの枠組みとして、一番大きな枠組みは「クライアント(Client)」です。クライアントは、データベース(以下、DB)上に複数作成できるようになっています。クライアントの業務的な意味合いは、 単一企業で導入する場合は”会社”とし、複数企業で導入する場合は”企業グループ”とするのが一般的です。

1つのDBの中にクライアントを複数作成して運用するのは、クラウド上でSaaSによりCompiere Distributionをサービス提供するようなケースが考えられます。SaaSの性格上、複数の企業がサービスを利用する事を想定しており、Compiere Distributionではクライアントを分けて管理できるように設計されているのです。同じDB上であっても企業間で互いに同じDBを共有している事はわからないような仕様になっており、クライアント間では、基本的にマスタ類やトランザクションデータは互いに参照できないにようになっています(※一部のマスタを除く)。

クライアントはCompiere Distributionによっては「テナント(Tenant)」と表現している場合もあります。

 

組織(Organization)

クライアントの次に大きな枠組みとして「組織(Organization)」があります。組織は必ず1つのクライアントに所属する事になります。クライアントと組織の関係は1:Nです。組織は複数作成し、階層構造化して管理する事ができます。 Compiere Distributionを単一企業で導入する場合組織は文字通り“組織”として事業部や部署を表し、企業グループで導入する場合は”会社”とするのがよく行われる運用パターンの1つです。組織間であれば、権限設定に基づいてマスタを共有したり、トランザクションデータを参照できます。そして、組織間取引が行え、本支店会計の仕訳も起票されます。

 

取引組織(Transaction Organization)

Compiere Distributionを企業グループで導入する場合、会社内部のセグメント情報(事業部や部署、店舗など)の収集に、「取引組織(Trx Organization )」を使用する事ができます。

 

倉庫(Warehouse)

在庫管理を行う場合は、さらに「倉庫(Warehouse)」や「保管場所( Locator )」の定義も合わせて行います。倉庫は在庫管理する枠組みであり、必ず1つの組織と結びつきます。組織と倉庫の関係は1:Nになります。

 

保管場所(Locator)

「保管場所(Locator)」は倉庫を区画し、倉庫を細分化して在庫管理するのに通常は使用されます。保管場所は必ず1つの倉庫と結びつきます。倉庫と保管場所の関係は1:Nです。

 

【補足説明】クライアント情報と組織情報の入力について

Compiere Distributionでは、基本的にすべてのレコードにクライアントと組織の情報を保持するようになっており、レコードがどのクライアントのどの組織に属するものなのか明確にする仕様になっています。

マルチクライアントであるため、すべてのテーブルでクライアント情報は必須入力となっており、クライアント情報が”*(アスタリスク)”や空欄(Null)になるような事はありません。

組織情報については、組織間で共有するマスタについては”*(アスタリスク)”となり、組織間で共有しているマスタである事がわかるようになっています。トランザクションデータは、その責任の所在を明確にする必要があるため、組織情報が”*(アスタリスク)”になる事はありません。

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