「まとめ支払伝票の作成準備」を行う事によって、複数の仕入請求伝票を月末なでにまとめて支払処理ができます。この機能はとても便利なのですが、これまでは「まとめ支払伝票の作成準備データ」タブのデータを作成した後に間違いが発見された場合は、簡単に取り消す事ができませんでした。
これまでは取り消すためには発見された場合でもいったん「まとめ支払伝票」を作成し、作成した「まとめ支払伝票」に結びつく支払伝票をすべてリバースして取り消した後で、再度「まとめ支払伝票の作成準備」をやりなおす必要がありました。
基本的に、多額の金銭を取り扱う処理ですので、間違わないように気を付けて行うのが前提ですが、そうは言っても人間ですので間違える事はあります。そのためiDempiere9より、「まとめ支払伝票の作成準備データ」を作成した段階で間違いが発見された場合には、簡単に取り消す事ができるプロセスが追加されました。
まとめ支払伝票の作成準備データの取り消し
まとめ支払伝票の作成準備データの取り消しは、まとめ支払伝票の作成準備データタブのデータが作成されている状態で、まだ「まとめ支払伝票」が作成されていない時に実行できます。「まとめ支払伝票」が作成されている状態で実行すると、エラーになります。
「まとめ支払伝票の作成準備データの取り消し」を実行すると、「まとめ支払伝票の作成準備データ」タブのレコードが削除されて、「まとめ支払伝票の作成対象仕入請求伝票」タブが再度編集できるようになり、編集した後で、もう一度「まとめ支払伝票の作成準備データ作成」プロセスが実行できます。
まとめ支払伝票の作成準備データの取り消しの処理
プロセス
- org.compiere.process.PaySelectionCheckReverse
処理概要
◆テーブル構造
・まとめ支払伝票の作成準備タブ[C_PaySelectionテーブル]
|- まとめ支払伝票の作成対象仕入請求伝票タブ[C_PaySelectionLine]
|- まとめ支払伝票の作成準備データタブ[C_PaySelectionCheck]
◆取り消し処理の概要
Step1: C_PaySelectionLineテーブルの対象レコードの更新
・C_PaySelectionCheck_IDカラムをNULLにします。
・Processedカラムを'N'にします。
Step2: C_PaySelectionCheckテーブルの対象レコードを削除する
Step3: C_PaySelectionテーブルの対象レコードの更新
・Processedカラムを'N'にします。
まとめ支払伝票の取り消し
まとめ支払伝票が作成されてしまうと「まとめ支払伝票の作成準備データの取り消し」プロセスは使えません。そこで、JPiereではまとめ支払伝票を作成した後で、間違いに気が付いた時に取り消ししやすいように下記のプロセスを開発しました。
支払いデータをエクスポートできるタイミングの修正
【JPIERE-0272】支払データエクスポートプロセスは以前は「まとめ支払伝票の作成準備データ」タブにレコードがあれば実行できましたが、「まとめ支払伝票の作成準備データの取り消し」プロセスが追加されたのに伴い、支払データをエクスポートできるタイミングを「まとめ支払伝票」を作成した後に修正しました。