Compiere Distributionには、会計レポート(Financial Report)という経理部のパワーユーザー向けの帳票(レポート)作成ツールがあります。この会計レポートを使用するとパラメーター設定だけで財務会計や管理会計に必要となるレポートが簡単に作成できます。通常、この会計レポートで貸借対照表や損益計算書も作成します。
しかしながら会計レポートは汎用的に作られているレポート作成ツールですので、貸借対照表(BS:Balance Sheet)は作成できても、そのレポート表示は、「資産の部」と「負債の部」と「純資産の部」が一列に表示されてしまいます。いわゆる"報告式"とよばれる、"左側"に「資産の部」があり"右側"に「負債の部」と「純資産の部」が表示されるレイアウトにするには、iDempiereの機能だけでは実現できませんでした。
そこで、iDempiereでは会計レポートのデータを、iReportで作成した帳票定義で表示できるようになっていますので、iReportを活用して、貸借対照表の"報告式"レイアウトを実現したいと思います。
一番の課題は、勘定科目の残高を左右に分ける所なので、それができるかどうか確認するサンプルレポートを作成してみました。
表示しているデータはテスト環境のデータですので、気にしないで頂きたいのですが、勘定科目の残高を左右に分けて表示できていると思います。
これは、会計レポートを表示するためのレポート行の設定に、パラメータというフィールドを追加し、そこに設定する値をiReport側でデータ表示の制御に使用して実現しています。
ここまでできれば、あとは手間暇かければ、報告式の貸借対照表もかなりいい感じにできるのではないかと思います。
作成したレポートとほとんど同じようなイメージでExcelにダウンロードする事ができますので、微調整が必要な場合はエクセル上で修正するのも簡単です。