また実装していません。
オープンソースのERP iDempiere(アイデンピエレ)は、トランザクションデータを伝票(Document)という概念で管理します。その伝票のほとんどは、ヘッダーデータと明細データに正規化されており、通常明細データには明細番号(カラム名:Line)があります。明細番号は、明細を追加する度に、10づつインクリメントして自動的に付与されるのが通常ですが(もちろんこの採番ルールもカスタマイズ可能)、手入力で上書き修正する事もできます。
明細番号は通常、1枚の伝票内で明細を一意に識別するキー情報ですが、iDempiereでは明細番号を手入力で上書き修正する際に、既に採番されている同一伝票の他の明細の明細番号と同じ値にする事もできます。
これは、主キーはiDempiereのテーブルの設計思想により、明細番号(Line)とは関係なく管理されているというシステム設計思想からくる仕様と考えられます。そしてオープンソースならではの「もし同一伝票内で明細番号を一意にしたかったら、自由にユニーク制約を設定してね」という事だと私は理解しています。
【補足説明】伝票ヘッダーの主キー+明細番号のユニーク制約の設定方法について
伝票ヘッダーの主キー+明細番号のユニーク制約は、postgreSQLのスクリプトファイルとして実装しており、JPiereの導入作業時にそのスクリプトを実行する事を想定しています。
このようにするのは、iDempiereからフォークしないようにするための対応のひとつです。iDempiereコミュニティーでは、データベース(DB)の修正を行う場合にはマイグレーションスクリプトと呼ばれるSQLが発行されます。将来的に、そのマイグレーションスクリプトと今回のようなJPiereで施すDBの修正がバッティングしないように、通常のJPiereのメンテナンスDBには含めたくないためです。
導入時に”伝票ヘッダーの主キー+明細番号”に設定したユニーク制約を、iDempiereのバージョンアップ時にはいったん解除するためのスクリプトも用意しています。
JPiereで伝票ヘッダーの主キー+明細番号のユニーク制約を設定する伝票一覧
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