オープンソースのERP iDempiere(アイデンピエレ)にあらかじめ用意されている画面(ウィンドウ)はサンプル的なものであり、導入の際には入力項目の配置替えや表示/非表示などパラメータ設定だけで簡単に行えるカスタマイズを施して使いやすい状態にする事が前提なので、初期設定のままだと使いやすい状態とは言えない画面もあります。
そこで、JPiere(ジェイピエール)では、JPiereコンフィギュレーションズのカスタマイズのひとつとして、支払伝票(Payment)ウィンドウを使いやすい状態にして提供しています。
支払伝票ウィンドウ
iDempiereの初期状態では、入金も支払も同じウィンドウで処理するようになっていますが、JPiereでは、入金処理と支払処理は別々の画面にして、それぞれ入金伝票、支払伝票という概念で処理できるようにカスタマイズしています。
支払伝票タブ
消込処理タブ
消込伝票明細タブ
出納帳明細タブ
支払伝票1枚と出納帳明細の1行は1対1に対応する事から、JPiereでは支払伝票ウィンドウ内に対応する出納帳伝票明細を表示するようにカスタマズしました。この事により支払伝票と出納帳明細の結びつきを容易に確認する事ができます。
【カスタマイズポイント】導入時にカスタマイズのベース画面として活用する
iDempiereで予め用意されている支払伝票画面は、2列表示が基本であり、横長の画面が全盛の現在では間延びした印象になってしまっています。そのためこのJPiereの支払伝票画面は、3列表示を基本とした画面レイアウトにしています。そして使う可能性があるだろうと思われる入力項目はできる限り表示しています。会社によっては不要な入力項目もあると思いますが、この画面がある事によって工数少なくカスタマイズする事ができます。
iDempiereの標準画面(ウィンドウ)は、簡単に入力項目を追加したり、並べ替えたり、非表示にしたりする事ができまが、簡単にパラメーター設定だけでカスタマイズできるといっても支払伝票は項目数が多いので、それなりに時間がかかってしまいます。そのため、あらかじめベースとなる支払伝票画面のレイアウトを作成しておき、導入時のカスタマズ工数を減らす事が、この支払画面を作成しておく目的のひとつです。
そして、このように予めレイアウトが整っている画面を用意しておくことにより、システムインテグレーション(SI)時には、要件定義などのミーティングの際に、導入企業の担当者の前で実際に画面をカスタマイズしてその場で画面レイアウトを確定する事ができるようになります。実際の画面イメージをプロジェクトの早い段階で共有する事ができるのでスムーズなプロジェクト運営にも貢献します。
関連するコンテンツ
- 【JPIERE-0068】ダイナミックバリデーション:JP C_Invoice of Payment
- 【JPIERE-0047】入金伝票画面
- 【JPIERE-0014】1レコード複数列のグリッド表示
- 【iDempiere Lab】伝票を素早く入力する方法(2014/9/9の研究日誌)
- iDempiere Lab -> 標準業務機能 -> 債権債務と資金管理
- iDempiere Lab -> アプリケーション辞書 -> ウィンドウ/タブ/フィールド
- Compiere Distribuitonとは -> 業務機能概要 -> 2種類あるGUIとGUIの特徴
- Compiere Distributionとは -> 開発手法概要 -> GUI