オープンソースのERP iDempiere(アイデンピエレ)にあらかじめ用意されている画面(ウィンドウ)は、サンプル的なものであり、実際に使用する前に、通常は入力項目(フィールド)の並び順や、表示/非表示などの設定を変更し、使いやすい状態にします。
ひとつひとつの設定変更はとても簡単にできますが、チリも積もれば山となりますので、JPiereでは、JPiereコンフィギュレーションズのカスタマイズとして、よく使用する画面はあらかじめ使いやすい状態にして提供しています。
この"受注伝票(全項目)画面"では、受注伝票にあらかじめ用意されている項目をすべて表示している画面です。システム管理者がデータの確認を行ったり、【JIERE-0018】受注伝票(標準入力)画面をカスタマイズする際に参考にする事を意図しています。
受注伝票(全項目)ウィンドウ
iDempiereの標準機能として用意されている受注伝票ウィンドウは主に横2列表示ですが、JPiereでは3列表示を基本としています。
受注伝票タブ
受注伝票明細タブ
税額計算タブ
【カスタマイズポイント】導入時にカスタマイズのベース画面として活用する
iDempiereで予め用意されている受注伝票画面は、2列表示が基本であり、横長の画面が全盛の現在では間延びした印象になってしまっています。そのためこのJPiereの受注伝票画面は、3列表示を基本とした画面レイアウトにしています。そして使う可能性があるだろうと思われる入力項目はできる限り表示しています。会社によっては不要な入力項目もあると思いますが、この画面がある事によって工数少なくカスタマイズする事ができます。
iDempiereの標準画面(ウィンドウ)は、簡単に入力項目を追加したり、並べ替えたり、非表示にしたりする事ができまが、簡単にパラメーター設定だけでカスタマイズできるといっても受注伝票は項目数が多いので、それなりに時間がかかってしまいます。そのため、あらかじめベースとなる受注伝票画面のレイアウトを作成しておき、導入時のカスタマズ工数を減らす事が、この受注画面を作成しておく目的のひとつです。
そして、このように予めレイアウトが整っている画面を用意しておくことにより、システムインテグレーション(SI)時には、要件定義などのミーティングの際に、導入企業の担当者の前で実際に画面をカスタマイズしてその場で画面レイアウトを確定する事ができるようになります。実際の画面イメージをプロジェクトの早い段階で共有する事ができるのでスムーズなプロジェクト運営にも貢献します。
【ポイント】JPiereの受注伝票の伝票番号
iDempiereには色々な伝票の種類があるので、伝票番号だけでどの伝票なのか把握できるように、JPiereでは伝票番号に"接頭辞"を付加するのを推奨しています。JPiereの検証用クライアントである"OSS ERP Solutions"では、受注伝票の伝票番号には"SOO-"を接頭辞と付加するように設定されています。この"SOO"は、受注伝票のベース伝票タイプの定数に由来しています。