伝票タイプ(Document Type)はオープンソースのERP iDempiereの使いやすさを左右するとても重要なマスタです。iDempiereの標準機能としては、伝票毎に使用する伝票タイプは自由に選択する事ができますが、場合によってはユーザーに選択させたくない伝票タイプもあるのではいかと思います。
例えば受注伝票において、外部システムからインポートしたデータが区分管理できるように、専用の伝票タイプを作成した場合、その伝票タイプは手入力で受注伝票を登録するユーザーには誤入力防止のため選択できないようにしたいのではないでしょうか。
そこで、JPiereでは伝票タイプに"表示/非表示"を制御するフラグを追加して、非表示のフラグについては、伝票タイプの選択リストには表示させないようにする事ができるカスタマイズを施しました。
技術情報
C_DoctTypeテーブルへのカラムの追加
伝票タイプの表示/非表示の制御のために下記のカラムを追加
- IsDisplayDocTypeJP(表示する伝票タイプ)
ダイナミックバリデーションの追加
IsDisplayDocTypeJPのカラムの値で表示/非表示を制御するために下記のダイナミックバリデーションを追加。
【設定項目】 | 【設定内容】 |
名称 | JP DocType Material Shipments |
説明 | JPIERE-0016 Document Type Material Shipments only IsDisplayDocTypeJP = Y |
エンティティ タイプ |
JPiere |
タイプ | SQL |
バリデーション コード |
C_DocType.DocBaseType IN ('MMS') AND IsSOTrx='Y' AND C_DocType.IsDisplayDocTypeJP='Y' |
備考 |
標準機能の"C_DocType Material Shipments"をもとに作成 |
【設定項目】 | 【設定内容】 |
名称 | JP DocType Material Receipts |
説明 | JPIERE-0016 Document Type Material Receipts only IsDisplayDocTypeJP = Y |
エンティティ タイプ |
JPiere |
タイプ | SQL |
バリデーション コード |
C_DocType.DocBaseType IN ('MMR') AND C_DocType.IsSOTrx='N' AND C_DocType.AD_Client_ID=@#AD_Client_ID@ AND C_DocType.IsDisplayDocTypeJP='Y'' |
備考 |
標準機能の"C_DocType Material Receipts"をもとに作成 |
【設定項目】 | 【設定内容】 |
名称 | JP C_DocType AR/AP Invoices and Credit Memos |
説明 | JPIERE-0016 Document Type AR/AP Invoice and Credit Memos |
エンティティ タイプ |
JPiere |
タイプ | SQL |
バリデーション コード |
C_DocType.DocBaseType IN ('ARI', 'API','ARC','APC') AND C_DocType.IsSOTrx='@IsSOTrx@' AND C_DocType.AD_Client_ID=@#AD_Client_ID@ AND C_DocType.IsDisplayDocTypeJP= 'Y' |
備考 |
標準機能の"C_DocType Material Shipments"をもとに作成 |